鯉江良二 白楽茶碗


 もう何年も前に買った鯉江良二の白楽茶碗。箱に「斜取」と書いてあるのは、彼がかつてアメリカのシアトル作ったことを示している。かなり大ぶりのずっしりとした茶碗。楽茶碗とは書いてあるが、楽茶碗のようなやらわかい感じはなく、むしろ豪快。


 彼の作品の面白さは、その豪快さにある。それにもかかわらず非常にバランスのとれたフォルムにある。現代陶芸としても活躍する陶芸家の特徴であるともいえる。


 作品を見て第一印象がよかったので買った。ちょっと不思議な感じがするのは、ぱっと見たときの印象は強烈でかなりしっくりくるものだったのだが、なぜかこれでお茶を飲むことはほとんどない。しみじみとした感じがあまりしなからではないかと自分では分析している。豪快で面白い作品だとは思うのだが、静かな時間を共有できる作品ではないということなのだろうか。