全文煥の茶碗
昔、阿倍野近鉄百貨店で買った全文煥の茶碗。もうひとつの井戸茶碗と購入した。前に堂島にある山木美術で彼のことを知り、欲しいと思っていた。そのころ僕は鯉江良二の茶碗に興味を持っていて、鯉江良二の影響を受けている全文煥の茶碗は僕には魅力的に思えた。そういうときに見つけた上に、また非常にお手頃な値段だったので、普段使いにいいかもと思ってすぐに購入した。箱は別注。箱のほうが高いくらいだった。
この茶碗は釉薬の感じもちょっと不思議な茶碗で、百貨店で見たときはこっちのほうが僕にはかなり面白い茶碗に見えた。しかし、今見てみると、うーん、どうも釉薬がペンキのような質感に見えて、結局ほとんど使っていない。
焼き物にはこういう買い物がよくある。買うときには結構テンションが上がっているので、実際以上によく見えてしまう。残念ながら、今ならかわない。
【茶道具 新古美術】辻村史郎作 井戸茶碗 |