凝縮。川喜田敦 茶碗「長湯」


 小ぶりの茶碗である。たっぷりと長石釉がかかっていて、雪のようである。青みがかかった不思議な色合いで、微妙なグラデーションがやや神秘的な感じさえ与える。
 僕の片手にもうまく収まり、非常になじむ。僕が一番よくお茶を飲む茶碗である。小さいけれども力が凝縮されたように思えるほど、重量感がある。それが逆に持っていて心地よいのだ。